ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン(2011)/★★★★☆
観た後心が温かくなりました
町山さんのラジオで「ウエディングドレスを着たまま路上でウンコする話」というのは知っていましたが、"イタい"のが苦手な私には結構きついギャグがオンパレードでした。
挨拶を巡ってマイクを取り合う場面とか飛行機でノリノリになっちゃう画面とかクッキーを壊す場面とか。
これだけだったらタダのイタいコメディですが、ジャド・アパトーが参加しているからなのか、すごく暖かい感じがして気に入りました。
女性版『ハングオーバー!』とか『セックス・アンド・ザ・シティ』似とか言われていますが、私は大好きな『ウェイトレス 〜おいしい人生のつくりかた』のテイストが一番近い気がします。
その理由として
- どちらもお菓子作りの達人である
- 「脚本が主演」(本作)と「脚本と監督が助演者」(ウェイトレス)
- とことん女性目線。しかも媚びていない。
- 本人は頑張ってるつもりなのになぜか次々と不幸が襲ってくる展開
- 一度は「人生のどん底」を味わうが友達(仲間)に救われる話
- 主人公は落ち込みながらもどこか前向き
- 不幸やアクシデントを笑いに転嫁するタフさを持っている
などなど。
こういった女性のホンネコメディって自己を卑下するところから始まるので、そのあたりのさじ加減が難しいと思います。
その点、本作はそのあたりが実にうまい。
彼のベッドでのシーンから塀にまたがって挨拶するシークエンス。それに続く親友とのトーク。ここから2人の関係やただのセフレにされていると薄々気づいているのにやめられない彼の関係がわかります。
(さらに言うとペニスの顔真似はサイコー!でした)
自分を卑下しつつどこかキュートなんですよね。
それでも3つほど改善してほしい点があります。
1つはギャグが長すぎること。
メイキングをみると山ほどパターンを撮ってあって、切りきれなかったのはわかりますが、それでも長すぎます。
特にウンコねたと警官の気を引くくだりは長すぎ。
2つめは警官のキャラクタが少々固すぎるかなと思われる点。
仲直りのケーキを放置し、助けを求める彼女も拒絶。それまでが完璧だっただけに正直「男としてどうよ!」と思いました。
(この辺りはキャラクタよりギャグやストーリーを優先していまったせいでしょう)
3つめはアニーとヘレンのバトルが中心になりすぎて、他のブライズメイズが薄くなってしまった点です。
メーガンはしっかりと印象に残るのですが、他の2人もいいキャラだっただけにもったいない。
せめてアニーとヘレンの仲直りを手助けするような場面が欲しかったと思いました。
「はなくま先生」のサイトを見て主人公のクリステン・ウィグの出演場面がすべて印象に残っていることに驚きました。
特に「アドベンチャーランドへようこそ」の経営者がお気に入りです。
今後の活躍が期待出来る人ですね。
DVDのコメンタリではキャストが勢ぞろいしてワイワイガヤガヤ楽しそうですが、ヘレン役のローズ・バーンが参加しておらず、時々揶揄するようなニュアンスで話題になるので、キャスト陣も意外とこの映画のままの雰囲気だったことを思わせて必聴のディスクになっています。