ＴＩＭＥ／タイム(2011)／★★

やっちまったな！

久しぶりにダメな映画見ちゃった。
発想は悪くないと思いますが、それを設定にするまでの練りが全然足りない。
そもそも時間をやり取りするというのがピンとこないし、さらに「時間バトル」というのもよくわからない。
演出でいえば、あんなに激しく横転したオープンカーに乗っていたのに生きてるかと思えば、ちょっと車をぶつけられただけで追跡を諦める時間局も分からない。
さらに、銃で撃たれた監視局の人は死ななかったり、タクシーに向かっていきなり撃つ割には、銃の使い方を習う場面もある。
さらに大ボスがいそうでいなかったり、ゾーンがどうのって言う割にはモニターの映像はファミコンのドラクエ並みのマップ表示ってどうなっているんですか？
場面場面はそれなりに面白いのですが、この世界のルールがよくわからないので、全く感情移入できないんですよね。

むしろ「この話、映画にならないですよ」とだれかアンドリュー・ニコルに言えなかったのでしょうか？
「ガタカ(1997)」「トゥルーマン・ショー (1998)」「シモーヌ (2002)」「ターミナル (2004)」「ロード・オブ・ウォー (2005)」と寡作なら名作・傑作に関わってきた巨匠だけに、誰も言えなかったのか。さらに投資家も名前だけで客が呼べると思ったのでしょうか？

ただし、キャストはすごくいいです。
ボニー＆クライド風のジャスティン・ティンバーレイクとアマンダ・セイフライドは悪くないし、時間監視局のキリアン・マーフィもがんばってます。
お父さんのヴィンセント・カーシーザーはいかにもアンドリュー・ニコル好みのキャスティング。
プロダクションデザイン（美術）もどこか無機質で７０年代風といった感じがアンドリュー・ニコル風味を出していると思います。
なんか、もったいないとか以前の「客さえ入れば中身はどうでもいい」的なハリウッド作品だと感じました。