ヤング≒アダルト(2011)/★★★★☆

やっぱ美人は得だ!地雷女のヨリ戻し大作戦
ヤング≒アダルト スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]
イタい映画は苦手なので、どうかなと思ったのですが、出だしのキャラクタ描写が実にうまくて引き込まれました。
ジェイソン・ライトマンのキャラクタ造形演出はホント巧みです。
(演出と感じさせず本当にこんな人いそうだなと思わせる所もうまい)

高校時代のプラムの女王がその思い出にしばれられて抜け出せない所に、元カレから子供誕生のメールをもらって、地元に戻ってヨリ戻し大作戦を展開ってお話ですが、当然うまくいくはずもないわけで、ある意味予定調和のクライマックスになるのですが、問題はそのあと。
高校時代に自分をリスペクトしていた兄妹から「そのままでいいんだよ」と言われてすっかり自信を取り戻しましたとさ。というオチ。
「これでは何も変わらないのでは?」という意見と「いや、一度自分を見つめなおしたら、なにかが変わったはず」という意見が出ているようですが、映画としては後者を思わせる雰囲気で終わっていると思います。


それよりこの"勘違い女"(シャーリーズ・セロン)のキャラクタがすごくいい!
嫌なやつなんだけど、少なくとも自分には正直でありたいと思う姿が共感できました。
ただしこれって「美人のわがまま」と紙一重なので人によって変わるのではないでしょうか?
例えば

  • 普段は身だしなみに全然気を使わないのに、男を落そうとするときはメチャ気合い入れるところ
  • また化け方がメチャメチャうまくて、本当に手品を見せられている気分になるところ
  • 下男と思っているパットン・オズワルトを平気で連れまわすところ
  • 都合が悪いと犬を外に出したり閉じ込めたりするのに、自分がさみしくなるとべたべたするところ
  • 着替えもせずにベットにうつ伏せのまま寝てしまうところ
  • ダイエットを気にせずコーラがぶ飲み&ケンタッキー大食い
  • そのくせWill Fitで申し訳程度の運動

アルアル感があって、ずっと見ていたいけど決して関わりたくないタイプの女をシャーリーズ・セロンは見事に演じています。


ただ、厳しいことを言うと、ここで登場する犬が子供のメタファーに見えて仕方がありません。
こんな身勝手な女を母親に持った子供はどうなっちゃうんだろうと心配で仕方がない。
やっぱ「地雷女」だよなと思うとともに、これからもたくましく生きていそうで気になるキャラクタでありました。