哀しき獣(2010)/★★★★☆

何度も見たくなる傑作!
哀しき獣 ディレクターズ・エディション [Blu-ray]
楽しみにしていた「哀しき獣」。期待にたがわない出来でした。
韓国映画特有の暴力描写に加え、出てくる奴らの顔(ツラ)のいいこと!。
それに加えて、今回はバジェットの大きさからかカーチェイスやらコンテナトラックの横転(これは本当に驚いた!)など、アジア映画とは思えない大作感すら備えています。


前回の「チェイサー」でもそうでしたが、話がどんどん転がってどこに着地するのか見ていて全く分からない感じが、緊張感を最後まで持続させています。
さらに、4つの章に分けられた構成もいいアクセントになっていました。


しかしホント韓国人(韓国映画)のスタミナとしつこさには驚かされます。
アクションシーンが延々と繋がっていく展開はハリウッド製でもありますが、ここまでしつこいのはあまりお目にかかれない気がします。
また、そこまでに至るまでの丁寧な描写もまたイイ!。
主演のグナム(ハ・ジョンウ)もイイのですが、なんと言っても途中から主役になってしまうミョン(キム・ユンソク)が格好良かった!。
逆に「息もできない」で感じた女優陣の扱いの悪さはこの映画でも感じます。
ポン・ジュノとかパク・チャヌクは逆に女優の描き方がすごくうまいと思うんですが・・・)


話題になったエンドロールのあのシーンですが、私は良かったと思います。
グナムは途中娘に電話しているので、娘は母親は死んだものと思っているはずです。そこに突然現れて娘は大喜びでしょう。
なのに父親は帰ってこないまま。
嫁姑の仲も悪い事を考えると、何とも言えない余韻が残りました。


ただし、多くの人たちと同じく、終盤の銀行の場面の意味が全く分からず、思わずネットで検索しまくってしまったので、☆1つ減点とします。


(参考)シネマハスラーで紹介されていた、韓国版とインターナショナル版の違いについて、検証したサイト
■WILDGROUNDS
http://wildgrounds.com/2011/06/22/yellow-sea-theatrical-cut-vs-directors-cut/