ほえる犬は噛まない(2000)/★★★

ポン・ジュノの片鱗。へんな映画だなぁ
ほえる犬は噛まない [DVD]
2009年マイ ベスト・ワン「母なる証明」のポン・ジュノが監督し「空気人形」のペ・ドゥナが主演と聞いて、後追いで鑑賞。

第1印象は”なんだか、へんな映画だなぁ”と。

妊娠中でやたら当たりがキツイ妻を持つ、大学教授(志望)の男が、団地でキャンキャン鳴く犬がうるさいと、捕まえて地下室のタンスに閉じ込める。
しかし、探し犬の張り紙を見てあわててタンスを空けると、なぜか犬はいなくなっており、代わりに鍋(!)を抱えた管理人がやってくる。
なんと、犬は既に死んでおり、それを見つけた管理人が”犬鍋”にしようと準備し始めたのだ。
しかし、その犬は声帯手術を受けており、鳴けない事が判明。あのうるさい犬は別にいたのだ。

という、なんともシュールな展開で人をくったような話。
邦画にこんなのありそうだよなぁーと思って見てました。


ポン・ジュノらしいテイストがあちこちにあり、力のある絵作りとか、サスペンスの盛上げ方の上手さだとか、不快感ぎりぎりの残酷描写とか、出てくる人がみんなちょっとづつ変!などなど、さすがポン・ジュノと思わせる。

その他、

  • サイドミラーへのドロップキック
  • 高所から落とすカット
  • 密着した人の顔
  • 隙間からの覗き見

など、この監督の好きなカットがあちらこちらに。

ただ、後の3作「殺人の追憶」「グエムル」「母なる証明」に比べると、まだ才能が空回りしているような印象を持ちました。
ペ・ドゥナは可もなく不可もなくといった感じ。