悲しみが乾くまで(2008)/★★★☆
脇役も生き生きしている佳作。脚本がいい。
ハル・ベリー&ベニチオ・デル・トロ(&デヴィッド・ドゥカヴニー)の未亡人物。
メイキングにもあったのだが、こういったドラマは”リアルでありながら映画的なスケールが出ていないといけない”という言葉通り、薄気味悪いぐらいリアルでありながら映画的なドラマも盛り込んでおり、よくある題材ではあるが映画的に成功していると思う。
特に未亡人のハル・ベリーのキャラクタがリアルで「あんたが死ねばよかったのに」とか「あんな光景観たくなかった。勝ったと思わないで」なんてセリフは到底男には理解できないぐらいリアル。
てっきり脚本家は女性だと思ったら、なんと男性でした。(アラン・ローブラス「ベガスをぶっつぶせ」)
男でもこんなセリフが書けるのか?本当に。
もう1つ素晴らしいのは、脇役たちのキャラクタが生きている点。
ちょとした役だと思っていたら意外性があったり、重要な場面があったりと随分と丁寧に作られていると思う。
特に近所のおやじ(ジョン・キャロル・リンチ)とデル・トロに好意を抱く女(アリソン・ローマン)は印象に残る。
ハル・ベリーの抑えた演技もいいが、ジャンキーのデル・トロが秀逸。あのしわしわの顔がやたらと面白い。
意外と拾いものの佳作でした。
ただ何度も観たくはないなぁ。