レッドベルト 傷だらけのファイター(2008)/★★★

レッドベルトは奇妙な味
レッドベルト 傷だらけのファイター コレクターズ・エディション [DVD]
レッドベルト(=赤帯)は柔道の段位を表し、世界に1つしかないという。
そのレッドベルトを世界最高の名人より与えられた男の物語。というとなかなか勇壮な感じだが、話はもっと小さく、あるちっぽけで潰れそうな道場の主人が世間に騙され、妻に裏切れながら自分なりの筋を通そうとする物語。

「ロッキー」というより「カラテ・キッド」に近いテイストで、スポ根というよりドキュメンタリに近い感じ。
すごく奇妙なのが、出てくる人がほとんど悪人で主人公を騙したり、貶めたりとやたらと現実的なのが難で、いかに柔道で飯を食っていくのが大変かを描かれても感動できないんですけど。
その割には格闘シーンがやたらとリアルで、しかもリング外で戦うものだから、格闘家同士の喧嘩にしかみえない。しかもその喧嘩に勝ったらいきなり世界最高のベルトを与えられたりするし。
どこかちぐはぐな印象がぬぐえない。


さらに奇妙なのは、メイキングで出演者がみんな監督のデヴィッド・マメットをリスペクトしていて、出演できてうれしいみたいなことを口にする。
フィルモグラフィを見ると「評決」「アンタッチャブル」「ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ」「RONIN」「ハンニバル」など男くさい映画の脚本を書いている人でした。

ただ、女優陣はなかなかよくてエミリー・モーティマー(「キッド」「マッチポイント」)、アリシー・ブラガ(「アイ・アム・レジェンド 」)などきれいどころがそろっているのが良かったかな。