題名のない子守唄(2006)/★★★★☆

胸を打たれました
題名のない子守唄 [DVD]
ニュー・シネマ・パラダイス」「海の上のピアニスト」「マレーナ」のジュゼッペ・トルナトーレ監督6年ぶりの新作(といっても2年前だけど)。

オープニングのエログロシーンから続くミステリアスな展開。どうやら主人公の女はある家に忍び込もうとしているらしい。向かいのアパートに部屋を借り、管理人と親しくなり、家政婦とも仲良くなりながらその家に入り込むすきを窺う。家政婦から部屋の鍵を盗み取って合鍵を作ったあたりからだんだんサスペンス色が強くなり、忍び込んだ直後に今度はなぜか自分の部屋が荒らされる・・・。

前半は謎が謎を呼び過去のエログロシーンのフラッシュ・バックとともに、何が何だかわからないうちに後半は1つ1つ謎が解けていくあたりから、驚くような過去の秘密が明らかになっていく。

救いようのない話なのに、ラストにわずかに希望を持たせるので、後味はすっきり。

これまでのトルナトーレ作品とはずいぶんと趣が違うが、実力は十分。テーマがテーマだけに名作にはならないが、見た人には忘れられない作品になっていると思う。


主役のクセニア・ラパポルトは目に力があって、体当たりの演技も含めてすごくいい役者だと思う。
エンニオ・モリコーネの音楽も秀逸。

しかし、こんな話が本当にあるのかねぇ。”黒カビ”は「女衒」と思えば腑に落ちるがそれにしても・・・。
トレーラー

[ネタばれ!]泣けるラストシーンとモリコーネの音楽