ロマンシング・ストーン/秘宝の谷(1984)/★★★★★

冒険アクションの金字塔
ロマンシング・ストーン 秘宝の谷 [DVD]
当時「レイダース」(インディアナ・ジョーンズの第1作が)大ヒットし、2匹目のドジョウのように思われたが、実は"アンチレイダース"ともいえる内容で、本家を超える出来に驚いたものでした。
インディアナシリーズの最大の弱点とは、最後にファンタジーに逃げてしまう点で、本作はそれを徹底的に排除しつつ、冒険アクションものの楽しさがギュッと詰まっています。
しかも脚本の出来が素晴らしい。

主人公がロマンス小説家というのもストーリーに生かされてるし、オープニング場面がクライマックスに現れたり、ワニがうまく使われていたりなど全編これアクション映画のお手本のような出来ですね。


監督は「バック・トゥ」でブレークする前のロバート・ゼメキス
テンポが良くて見る者を飽きさせない。「ポーラー」とか「ベオオルフ」なんか撮らずに、この時代に戻ってきてほしいものです。
製作を兼ねたマイケル・ダグラスキャスリーン・ターナーの名コンビも絶妙ですが、ナントにってもアラン・シルヴェストリの音楽が絶品でサントラ好きにはたまらない1枚です。
DVDは音声が2chなのが不満ですが、BDも出たようなので、そのうち見てみたいと思います。

■ ■ ■ 
脚本にダイアン・トーマスという人がクレジットされていますが、これ以降作品がないので、ロバート・ゼメキスの偽名だとばかり思っていたのですが、調べてみると実在の人物で1985年に亡くなっています。
IMDBトリビアによると、なんとレイダースの続編シナリオの草稿を書き上げていたとか。
そこにマイケル・ダグラスが現れ、自分が主人公になる映画のアイデアはないかと尋ねられ、このロマンシング・ストーンの脚本が生まれたとか。
彼女の書いたレイダースの続編も見てみたかった。
生きていれば天才脚本家として素晴らしい作品を生み出したかもしれませんね。