マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985)/★★★★☆

ウチの次男坊みたいで見てられない
マイライフ・アズ・ア・ドッグ [DVD]
ラッセ・ハルストレム監督(「 ギルバート・グレイプ」「サイダーハウス・ルール」)のスウェーデン時代の傑作。


イングマル(アントン・グランセリウス)は兄とママの3人暮らし。病弱のママを元気づけようと色々するが、いつも裏目にでてママを困らせてばかり。ママの病気が重くなって、叔父夫婦のところに夏の間預けられることに。
ところが、この叔父さんの村の人達は変な人たちばかり。下着のカタログを朗読させる寝たきりの叔父ちゃんや、ふざけてそのまま部屋にこもりっきりになる叔父さん夫婦、髪の毛が緑の男の子や女の子であることを隠してサッカーをする女の子など。
でも、みんな気のいい人たちで、イングマルは寂しくても楽しい夏を過ごすことができた。しかし、村から帰ってもママの病気はよくならず・・・


「どんなに不運でも人工衛星に乗せられて帰ってこなかったライカ犬よりはまし」という主人公のセリフを読んで、どんなに悲惨な映画かと思ったのですが、物語が1/3を過ぎて叔父夫婦の元で生活するあたりから、ほのぼのムードて展開し、終盤の悲しい出来事も、乗り越えられそうなエンディングにホッとしました。


ただ、序盤の何をやっても裏目に出るあたりは、ウチの次男坊を見ているようで、はらはらし通しでした。本人はそれなりの理屈でやってるんでしょうが、周りからは誤解されることばかり。
たとえば彼女に誘われて、線路下のトンネルで抱き合ってる所を見つけられて、イングマルが追いかけられたり、お兄ちゃんの悪戯が元で兄弟喧嘩になったのに、料理の材料をひっくり返したせいで、イングマルだけ怒られたりとイタイ出来事が次々と展開します。
もう見てられません。


ママが元気だったときに、イングマルのふざけた様子にママが大笑いしている様子が何度も挿入されます。(でも現実のママは寝たきりで、笑顔も見せてくれません)イングマルにとっては、これが一番つらかったのではないでしょうか?ママが亡くなったことは悲しいけど、それ以上にママを喜ばそうとして結局悲しませてしまう自分に悲しみを感じていたんだと思います。
ママのそばにいたいのに、いると悲しませてしまう。そして一番喜ばせたいママにはもう会えない。そんな切なさが伝わってきました。


スウェーデンという土地柄もあるのでしょうが、ちょっとエッチなエピソードも多く、イングマルの性春日記といった趣もあります。なぜか女の子にモテモテなのも可笑しい。
そこがいかにもヨーロッパ製少年映画という感じがしました。


イングマルにどこまで感情移入できるかで、評価が全然違うと思いますが、私は自分の子供と重ねてみていたので、すごく気に入りました。
ウチもこうなるのでしょうか?すごく心配。