ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ(1942)/★★★

J・キャグニーの踊りは独特の味
ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ 特別版(1枚組) [DVD]
ブロードウェイの父と呼ばれたジョージ・M・コーハンの伝記ミュージカル。
なのですが、ジェームズ・キャグニーも知らなければ、ジョージ・M・コーハンはもっと知らない私は純粋にミュージカルとして楽しみました。
本作のウリはやはりキャグニーのダンスでしょうか?確かにG・ケリーともF・アステアとも違うタップダンスを披露してくれます。
キャグニーは小男で短足(失礼!)でどちらかといえば3枚目の感じなのに、すごく身軽であちこち飛び回ってはタップを踏みます。そこが面白かった。
色々とミュージカルを見ていますが、ここまでタップを踏める男優さんって意外と少なかったりします。


ジョージ・M・コーハンは父、母、妹の4人で舞台に出る芸人家族。
特に長男のジョージはものすごい自信家で子供のくせに尋ねてきた興行師に対して"条件が悪い"と両親が止めるにもかかわらず、勝手に断っちゃうくらいの頑固者。見ていて結構引きます。
青年に成長してもその性格が災いして、誰も雇ってくれません。そこで自分で脚本を書き、曲を書き、資金を集めて上演したところ大ヒット。そこからはまあトントン拍子であまり挫折らしきものはありません。
ただ戦意高揚の歌が好きだったようで、それがポピュラーになり勲章を贈られるまでになります。
あと、歌や踊りの場面がふんだんに盛り込まれてるので、ミュージカル密度の濃い映画でした。


意思の固そうな"えら"の張ったキャグニーの容貌はこの映画のキャラクタによく合っていますね。


日本公開は40年以上も経った1986年。同年(1942年)に「カサブランカ」も撮っているマイケル・カーティス監督の傑作ミュージカルなのでした。