ゆれる/★★★★

ホントのところはどうだったの?。観た方が「ゆれる」心理劇
ゆれる [DVD]
香川照之がうまいと思いました。あと木村祐一は検事には見えない。(ただし、ドラマ的には香川照之のもう1つの心の声として、これもアリのような気がしました)

ラストの展開がすっきりしないので、「傑作!」と言い切ることができないのですが、そこに至るまでのドラマは良かったとおもいます。
ただ、"田舎の閉塞感が嫌で上京する"気持ちは分かる気がするので、ある意味共感しすぎてちょと嫌。

以下、私なりの解釈につき、ネタバレ注意。
まず、

  • 弟はあれを事故だと思っている
  • 兄がわざと弟を侮辱し不利な証言をさせた(自ら刑に服した)

というのを前提とします。
※その他に兄は本当に弟不信だった(後で改心した)説や、兄は本当に突き落とした説などもあるようですが。

(1)彼女が弟の荷物になることが分かって、兄があえて手を離した(あるいは力をゆるめた)という弟愛説。ある意味"故意"。
これだとラストの兄の笑顔が理解できるが、なぜ刑に服したのかがわからない。
最初から事故でよかったじゃん。

(2)寝取られた弟に家族裏切りの罪の意識を負わせる兄復讐説。「セブン」のようなパターン。犯行時は嫉妬まじりではあったが"事故"。ただし兄としては、自分だけが手を汚したのが許せず、自分が刑に服役してでも弟にも罪の意識を負わせたかったというもの。
ただ、それであれば笑顔になるのは証言させた後でなければならない。

ずっと(2)だと思って観ていたのですが、終盤の展開をみるとやはり(1)なのでしょうか?

実は一番ゆれるのは見た後の観客なのでした。