ブルー・スカイ/★★★

アステア&クロスビー第2弾。「プッティン・オン・ザ・リッツ」が有名。
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ブルー・スカイ [DVD]
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前作の5年後に製作されましたが、こちらはカラーです。色の付いたアステアを初めて見ました。


ストーリーは、新しいクラブ(ショーが見られる)を持つのが好きなクロスビーと結婚したダンサー(ジョーン・コールフィールド)がくっついたり離れたりする物語で、これといったドラマはありません。前作の「スイング・ホテル」に比べると作品としては落ちると思います。
その代わり、本作では歌や踊りがふんだんに使われており、パラマウント作品なのにずいぶんとMGM調になっていました。


「プッティン・オン・ザ・リッツ」は不思議なステッキと共に大勢のアステアをバックに踊る場面ナンバーで、結構楽しめました。(この曲聴くとフランケンシュタインが私の頭に出てきます)
アステアとしては、ここが最大の見せ場でしょう。
また、珍しくクロスビーが踊ります。アステアとの掛け合いダンスで結構長いんですが、タップは踏めませんが、それなりに踊っているクロスビーは一見の価値ありです。ペアダンスの好きな私はここが一番好きです。
クロスビーが何年かして娘に会うシーンがあるのですが、結構ジーンとしました。娘を寝かせるために歌ってあげるのもGOOD。いい奴なんです。ホントは。


その他にクロスビーの補佐役のビリー・デ・ウルフがいい味を出していて、一人芝居をたっぷり見せてくれたり、随所で笑いを取っていました。


随所に入るクラブのショーや舞台のショーなど、いいショーのシーンがいっぱいありますが、それよりも時勢を反映する歌が多いのが興味深い。
キューバに行こう」という歌。
禁酒法が施行されて国内で酒が飲めないから、キューバに行って酒を飲もうという歌があります。どこそこに行って船でハバナに渡ろうみたいな。
「上官を部下にした」という歌。
戦争が終わって、かつての上官を手伝いとして雇ってこき使ってやった。こんな楽しいことはない。なんて歌も歌います。
一番ビックリしたのは「国債を買おう」という歌。詞はこんな感じ。

今こそ国債
自由を獲得するために国債を買おう
自由のためにできることをしよう
自由を分かち合うために、今こそ国債を買おう

ある意味旬な歌ですね。
※5/3に「父親達の星条旗」のDVDリリースされます。
その他に「ホワイトクリスマス」もちょこっと。

あと、次々と作る店の名前がシャレていて、「WOOD SIDE INN」(前作のホリデーインのもじり)や「壁の穴」とか「トップ・ハット」(アステアの代表作の名前)などの小ネタも笑えました。