くたばれ!ヤンキース/★★★

グウェン・ヴァードンを見る映画でした
くたばれ!ヤンキース [DVD]
"亭主達は野球シーズンになると別人になる"とボヤく奥様連中(なんと歌でぼやく)や、
ヤンキースを優勝させないためには、悪魔にだって魂を売ってやる!とという中年野球狂のダンナや、
手品のように煙草に火をつける悪魔や
やたらと綺麗な新聞記者(なぜかサンドラ・ブロックによく似てる)や
主人公が”シューレス・ジョー”ってあだ名を付けられるところや、
"シーズンに勝つためには勇気を持て!"と踊る野球選手や、
グランドで踊るから土煙でよく見えなくなってしまう、野球選手のタップダンス(これは失敗だね)や、
ミュージカルなのに、中年の夫婦愛がテーマだったりとか、
この中年夫婦が「普通」で、とても映画の主役に見えなかったりとか、
など語りたいところが色々あるのだが、


本作の見所は、やはりなんといってもグウェン・ヴァードンの可愛い魔女ぶりなのではないでしょうか?


主人公を誘惑するが、結局振られて逆に惚れちゃうって設定は他の映画でも見たことがある気がするが、
これの映画が原型になってるんじゃないと思うくらい、ハマッていて、
実はタイトルにも「WHAT LOLA WANTS」とあるくらい、この映画の売りになっているらしい。
(ついでにジャケットもこの魔女しか出てこない)


このグウェン・ヴァードンという女優さん、ボブ・フォッシーの元奥さんで、ブロードウエイの有名なダンサーらしい。
こういった魔女的役柄を得意としたようで、(それもこの作品ゆえなのか)色っぽいのだが、どこかチャーミングで魅力的な魔女を演じている。(可愛いといっても、歳はちょっといってるのだが・・・)
振り付けもボブ・フォッシーが担当。


しかし、実に人を食った話だ。
これが日本なら"常勝"巨人が憎くて、"ローズ"になって横浜ベイスターズを日本一に優勝に導いた(1998年)ようなもの。しかもミュージカルだし。
日本なら絶対に通らないような企画を真面目に映画としている作っているハリウッドの懐の広さに驚かされる。
1958年の珍品ともいえる一作。