ウインブルドン/★★★★☆

大きな舞台の小さな物語。爽やかな快作!
ウィンブルドン [DVD]
かつては世界ランキング11位まで上りつめたベテランのテニス選手ピーター(ポール・ベタニー)は、現在119位。
特別枠でウインブルドン出場を得たのを機に引退を決意し、クラブコーチになる予定だった。
しかし、アメリカからやってきた若手女性選手リジー(キルスティン・ダンスト)と知り合い、熱い夜を過ごしたあたりからなぜか勝ち始め、やがて決勝戦にまで進出する。ところがリジーは調子を落として早々と敗退。
そして決勝当日。帰国の準備をするリジーにTVを使って気持ちを表すピーターだったが・・・。


ウインブルドン」という大きな舞台ながら、小さな個人の世界に終始したのが大正解で、この選手、試合中に「もうやめたい」とか「(相手は)なんでこんなに強いんだ!」とかぼやくぼやく。この中年のロートル選手と若い勢いのある選手の対比が面白い。
また、ピーターの両親も、もう何年も仲が悪かったり、弟も兄貴が負ける方に賭けて金儲けを企んだりとバラバラ。
それがピーターが勝ち上がっていくにつれて、家族の1つになっていく様子が微笑ましい。


主演は「ダ・ヴィンチ・コード」で変態役もやったポール・ベタニー。本作では実にナイーブなキャラクタを演じていてポイントが高い。
そして、このポールの女神(ミューズ)になるのがキルスティン・ダンスト。なぜテニス映画に?と思ったが、実際見てみるといきなりポールを"食っちゃった"り、叱咤激励したりと脇役的なポジションで、確かにこうゆう役をやらせるとこの人は抜群にうまいと思う。


また、重すぎず軽すぎずという絶妙の匙加減で本作を監督したのはリチャード・ロンクレイン。省略が効いて実にうまい演出だったと思う。またエドワード・シェアマーのスコアも出色の出来栄え。


とはいえ、ラストの決勝戦はかなり燃えます!。
見終わった後、とても満足感がありました。アリガトー!