スタンドアップ/★★★

キャスティングが素晴らしい
スタンドアップ 特別版 [DVD]
最初は裁判劇と同時進行で進むが、中盤からはドラマ中心。最後は裁判場面に戻る構成。
全てのキャスティングが見事にはまって隙がない。
有名どころでは、セクハラに立ち上がる2児のシングルマザー(シャーリーズ・セロン)炭鉱で働くその父親(リチャード・ジェンキンス)と母親(シシー・スペイセク)、炭鉱の仕事を紹介した友人(フランシス・マクドーマンド)とその夫(ショーン・ビーン)、彼女を私生活でも支える弁護士(ウディ・ハレルソン)など。

そのほかにも炭鉱会社側の女弁護士(敵役が見事にハマッテいる!)や裁判長(渋い!)、炭鉱会社の社長なども見事なキャスティング。その他、炭鉱で働く男たちも本物としか思えない男たちばかり。


ドラマは前半のセクハラの嵐が圧巻で、いくらドラマとはいえ、やりすぎなんじゃないの?という嫌がらせがてんこ盛り。それが最後の裁判劇に繋がっていくのだが、同時に主人公のもう1つのドラマも明らかになる展開は「家族の絆」とは何かを考えさせる。

ただ、純粋に映画としてみると、これまでの女性映画の流れを踏襲しているので、裁判や集会、仲間たちからの拒否など、目新しさはあまりない。この手の映画はこういった事が実際に起きていると多くの人たちに知らせる事に意味があるのだろう。


監督は「クジラの島の少女」のニキ・カーロ。