カサンドラ・クロス/★★★★

カサンドラ・クロス...あそこには行きたくない!
カサンドラ・クロス [DVD]
アメリカが極秘に研究していた細菌を浴びて逃走したゲリラを、CIAが彼の乗った列車ごと抹殺しようとする作戦を描いたサスペンス映画(goo 映画)

列車を舞台にした細菌パニックもので、監督は脚本にも参加しているジョルジ・パン・コスマトス(「ランボー」「コブラ」)。
パニックと書いたが、実は途中で細菌の治療法が分かってしまうので、これ以降はそのまま列車を終点まで進めたい軍と乗客のアクション映画に変わる。
全体的に間延びしている感があり、お世辞にも秀作とは言えないのだが、こうして見直すと、ところどころ伏線が張ってありいい脚本だと思う。もっと刈り込めばテンポが出てよくなったのだろうが、オールスターキャストなので切れなかったのだろうか。

主演はリチャード・ハリス。この当時ヒーローと言えばこの人って感じで「サウス・ダコタの戦い(76)」「カサンドラ・クロス(76)」「オルカ(77)」「黄金のランデブー(77)」「ワイルド・ギース(78)」などで、その冷静さと実行力で我々の胸を熱くしたものだ。

音楽はジェリー・ゴールドスミス。この頃は管楽器を使った扇情的なメロディでセンセーショナルに盛り上げる手法が得意で音楽を聴けばそのシーンが蘇るようなスコアが多かった。
風とライオン(75)」「カサンドラ・クロス(76)」「オーメン(76)」「世界が燃えつきる日(77)」「カプリコン・1(77)」「ブラジルから来た少年<未公開>(78)」「スウォーム(78)」と自身の代表作となる音楽を次々と発表している。
カサンドラ・クロスでは「愛のテーマ」が印象的。この時代の映画はオープンでクレジットを流しながらその映画のテーマ曲を聞かせるのが普通だったが、スイスのレマン湖を舐めるように空撮しながら流れるテーマに魅了され、当時厨房だった私はすっかり映画にのめりこんだ。

その他、たらこ唇のソフィア・ローレン、冷徹な大佐のバート・ランカスター、熱心な医師のイングリッド・チューリン、有閑マダムのエヴァ・ガードナー、演技の神様リー・ストラスバーグ、事件を起こす前のO・J・シンプソン、売り出し中のマーティン・シーンなどにぎやかな面々が出演している。