コラテラル/★★★★

リアルな描写が秀逸
コラテラル スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
トム・クルーズジェイミー・フォックス主演のドキュメンタリ風アクション。
突っ込みどころ満載と言われる本作だが、私は素直に見ることが出来た。夜のLAの雰囲気がとてもリアルで、舞台と言うよりもう1つの主役ですらある。特に上空からの俯瞰が印象的。

髪を染め無精ひげを生やしたトム・クルーズはプロの殺し屋と言うには熱すぎるが、無造作にしかし的確に撃ちだすガンアクションは惚れ惚れするほどカッコいい。
メイキングをみると実弾での訓練をみっちり受け役作りに何ヶ月もかけたそうで、その努力は間違いなく画面から伝わってくる。また、それはジェイミー・フォックスも同様で運転手になる切るための体験を経て役に望んだと言う。
これらは監督のマイケル・マンの意思によるもの。監督はは主人公の生い立ちから嗜好、生活、行動などのキャラクタを数ヶ月かけて作り上げ、役者たちに的確な指導を行ったとメイキングでは語られる。

もう1つ書いておきたいのが音楽。印象的なスコアはないが無機質で不気味なロサンゼルスの雰囲気は十分伝わってくる。

ただ、残念なのは、ここまでリアリズムに徹しながら終盤はターミネーター風になってしまった事。まあ、ストーリー自身に問題があるからやむを得ないといえばそうだが、もう少し考えて欲しかった。そしてもう1つ残念なのはヒロインのジェイダ・ピンケット=スミスが魅力的に見えないこと。

ただし、ディスコでの銃撃戦はこれからも何度となく見直すだろう。