リベリオン/★★★★★

アクションだけでない近未来SFの傑作!
リベリオン -反逆者- [DVD]
第3次世界大戦後の未来。個人の感情を薬により抑制し、争いのない完全に管理された社会で、感情をもつ抵抗分子を排除する「クラリック」といわれる一団がいた。優秀なクラリックであるプレストン(クリスチャン・ベール)はある日薬が切れた事をきっかけに、徐々に「感情」に目覚めていく。

カンフーと銃撃を合わせたようなアクション<ガン=カタ>がメインのように言われるが、どちらかというと感情をなくした男が徐々に目覚めていくサスペンスとしての部分がよく出来ている。本編では「手」が感情を取り戻す心の動きを表しており、「手すり」に触れる手、禁制品の「本」や「絵画」に触れる手など何気ないシーンがいい。サスペンスとしても机の上のものを配置を変えるだけで「感情」を持ち始める男と周囲にばれないようにする「男」が表現される。

またカート・ウィマー監督自ら考案した<ガン=カタ>は確かにかっこよく、クライマックスの戦いは見ていてシビレた。その意味で「マトリックス」に似ているが、全体のトーンは「ガタカ」に近いと思う。

60年代から70年代に描かれた近未来は「貧困」「暴力」だったが、90年代以降は「無気力」で「無機質」な世界として描かれるのだ。