セブン・イヤーズ・イン・チベット/★★

チベットの歴史は描かれるが主役が×
セブン・イヤーズ・イン・チベット [DVD]
この映画には2つのテーマがある。1つは1945〜51までの外国人の目から見たチベット(結局中国に占領される)の姿。もう1つは自分の息子を持つ現実から逃げた男が少年(ダライ・ラマ)に出会って変わっていく姿。
前者は美しい風景とチベットの素朴な風習とともに描き出すことに成功しているが、後者はあまり成功しているとは言えない。前半の自己中心的で孤独な姿は伝わるが、それが変わって行く姿が観ているものに伝わってこない。そもそもブラビにいい人を求めるの方が無理で、「セブン」や「ファイトクラブ」のようにとことんジコチューでアナーキーな人物でないと演じることが出来ないのかもしれないと思った。
ジャン=ジャック・アノーは「薔薇の名前」や「愛人/ラマン」の監督だが映画全体の雰囲気を出すのは本当にうまいとおもう。山の風景は本当に美しかった。
ただチベットを去るブラッド・ピットのキメの姿はかっこいい。