キャリー/★★★★

作品へのリスペクトが感じられるDVD
キャリー<特別編> [DVD]
昔さんざん名画座やらTVで見たのでいまさら感もあるが、やっぱりいい!。
(「キャリー」と「殺しのドレス」の2本立ては私のゴールデンプログラムだった)
青春映画としてみているので、ホラー感はあまり感じない(観すぎたから?)がプロムのシーンで投票用紙のすり替えから天井のロープをなめてバケツにたどり着くスロー(1カットで撮っている)やエイミー・アービングがロープが異変に気が付いて、結局先生に追い出されるまでのシークエンスは何度見ても鳥肌が立つ。シシー・スペイセクパイパー・ローリーも完全になりきって見るものを力ずくでぐいぐい引き込む演技は素晴らしいとしか言いようがない。

さらに特筆すべきはDVDとしても、この映画への愛情が感じられること。
まず、メニューアート。キャリーへのあざ笑いの声がメニュー表示中に響き渡る。(夜中に見ていたのだが、さすがにちょっと引いた)。
特典は

  • 「キャリー」のキャスティング(約43分)
  • 「キャリー」の製作秘話(約40分)
  • 「キャリー」のミュージカル化(約6分)
  • アニメーション・フォトギャラリー(約6分)
  • オリジナル劇場予告編

の5本。
「・・・キャスティング」と「・・・製作秘話」は当時の出演者やスタッフへのインタビューだが、その合間に本編のシーンのだけでなくスチルも挿入して丁寧に見せている。DVD特典にインタビューが収録されているものは多いがここまで丁寧に作られたものはちょっと珍しい。どちらも40分以上あるコンテンツなのに最後までまったく飽きずに見る事ができた。
また、出演者も主要なメンバーがほとんど出演していてその後の姿が見れたのはうれしかった。(さすがにトラボルタは出てこない)
「・・・のミュージカル化」は残念ながらその舞台の映像を見ることは出来なかったので、なぜあるのか疑問だが意外と営業的な意味合いがあるような気がした。

これだけでもDVD購入者としては感涙物なのだが、意外と一番感動したのが「フォトギャラリー」。
ピノ・ドナージオの音楽に載せて写真が切り替わっていくだけなのだが、これが一種のサントラになっている。写真も撮影中のスチルやスナップ、ポスターなど当時をしのぶ貴重なものを惜しみなく出しており、昔映画館に”ラジカセ”を持ち込んでこっそり録音したことを思い出した。


画質、音質も変にシャープになっておらず当時の映画館の雰囲気が出ていると思う。

とにかくDVDの隅々までこの作品への愛情が感じられ「オレはこの映画で育ったんだ!」という意気を感じる事が出来た。
映画好き、DVD好き冥利にる1枚であった。