エンド・オブ・ザ・ワールド(2012)/★★★☆

大好物の素材だけど、観たかった物とはちと違う
エンド・オブ・ザ・ワールド Blu-ray
終末+道中物。好物中の大好物の素材。見ない手はありません。
序盤のオフビートなコメディの中にそこはかとなく流れる絶望感。そして、突然窓際で泣く女。
こりゃ最高だなと悶絶しながら見ていたのですが、見ているうちにどうも乗れなくていけません。
海岸で人々が集まってキャンプしている画面をみて、これは私が見たかった物ではないことに気がつきました。


脚本・監督はローリーン・スカファリアという女性監督。
どうもこの人の興味は正反対に見える二人の関係が変わっていく姿に興味があるようで、その舞台装置として終末世界を選んだような印象があります。
でも私が見たかったのは、終末世界に向かって人々がどう変化していくかに興味があるのであって、主人公たちの恋愛関係の変化だけに特化して描くのとは少し違います。
「私を離さないで」「トゥモロー・ワールド」「ガタカ」のような、静かな絶望感の中に生まれるドラマのようなものが見たかったんですが。


ただ、序盤の人々の様子や来週はこなくてもよいと言われてがっかりするメイドさん。そしてただ音がしているだけで十分その恐怖が伝わってくるエンディングなどいいなと思えるシーンもあって、嫌いではないです。