任侠ヘルパー(2012)/★★★★☆
放送出来ないTVスペシャル。草薙君が素晴らしい。
「TVドラマの映画化」「フジ」「SMAP」とくれば日本がW杯で優勝するくらい勝ち目がない。
とおもいきや、実にアグレッシブな作品。ビックリしました。
でも、これ放送できるの?
感心したのはまず、社会問題にキチンと踏み込んでいる点。
介護施設(特に前半)の描き方が半端なく、これテレビで放送できるの?と言うくらいリアル。
次に草薙君のキャラクタも甘さはなく、お座敷で突然キレるくだりは見ている側が引くくらいの凶暴さ。
さらに堺正章の使い方が抜群にうまく、序盤の10分ぐらいしか出てこないのに、ドラマが進むうちにドンドン存在感が増してくる。
彫り物した父親のマッサージで「鯉の目の下」とかって団らんする親子なんて初めて見た。
こうした社会的なメッセージ性の割にはドラマ自体に面白みがなく、作りがフジ流になっているのが惜しい。
全般的に「映画」と言うよりは「TVスペシャル」といった趣だが、その割には公共の電波には乗せにくい描写が随所にあり、そのエグさは十分楽しめる。
なによりこの草薙君は絶対見るべき。
映画の出演に関してSMAPははっきりと分かれており、
「十三人の刺客」の稲垣吾郎
「私は貝になりたい」の中居正広
「任侠ヘルパー」の草磲剛
と印象的な作品を残しているメンバーに対し
「SPACE BATTLESHIP ヤマト」の木村拓哉
「座頭市 THE LAST」の香取慎吾
とどうにもならないメンバーもいて、こればかりは才能なんだろうなと思わずにはいられない。