ONE PIECE FILM Z ワンピース フィルム ゼット(2012)/★★★★

良いところと悪いところがハッキリ

「ワンピース」はTVでやっているのを見たことがある程度の知識しかありませんでしたが、下の子(小4)が現在ワンピースにはまり中。
ネットでTVの過去話を集中視聴(見過ぎて現在は禁止)。クリスマスプレゼントは「ギガントバトル2」。
ワンピース ギガントバトル!2 新世界 (ニューワールド) (通常版)
技の名前やら呪文?やらを毎日ノートに書き出しては悦に入っております。
そんな息子にせがまれて初めて劇場で観ました。


公開から1か月以上経っているのに、いまだに250名の劇場に半分ぐらいの入り。
それも子連れ6割、大人同士4割ぐらいの感じで、2012年の興行収入1位というのもうなずける熱量でした。みんな好きねぇ。

面白かったのは、映画が終わった後に前にいた女の人が連れの人に「アオキジってルフィの仲間にならなかったのよね。そうよね。」と何度も確認していて、ファン層の厚さを感じさせる場面を目撃しましたよ。


さて、作品はというと良いところと悪いところがハッキリしている感じでした。
良かった点としては、(動くという意味での)アニメーションとしてのクオリティが高い。特にオープニングのバトルからの島の崩壊までにシークエンスはスゲー!の一言。
どうやら「海軍」と「ネオ海軍」の戦いだったらしく(もらった冊子を読んでわかりました)バトル、バトル、バトルの連続。そして生きた卵のような爆弾(ダイナ岩)の破壊力の凄まじさにしびれました。

さらに、漂流していた「ぜっとせんせい」を助けたのに、麦わら一味がボコられる展開も面白い。サニー号が集中砲火を浴びて破壊されていくシーンもなかなかでした。


と、アニメーションとしては十分満足できるたのですが、ダメなのはシナリオ。
説明セリフ多すぎ。ストーリー長すぎ。ギャグ寒すぎ。


12歳若くなる技と言うのが出てくるのですが、それって意味あるの?と聞きたい。(子供のナミを出したかっただけじゃないのと問い詰めたい)
温泉で待ち伏せするアオキジというも、単に風呂シーンを見せたかっただけにしか見えない。
とにかく、とってつけたような設定が多いんですよね。
最終でない最終兵器とか、火砕流を一気に氷で止めちゃうとか。
さらに、エンドロールの意味のない有名歌手とか、全く気付かない有名俳優のアテレコとか。
売らんかなというネタが散りばめられているのミエミエなんです。


おそらく脚本の"鈴木おさむ"さんはフジ付きの作家なので、いろんな要望を取り込んでいった結果、こうなったのではないかと。
で、あれはどうか?これはどうかと一々原作者の尾田栄一郎に聞くものだから、めんどくさい&ヤバいと感じて、原案と設定はオレの方で考えるからと総合プロデューサーという形になったのではないかと妄想します。



ただ、アニメとしての質は高いので、大きなスクリーンで大音響でみる価値は十分あると思います。
監督は「プリキュア」シリーズをずっと手がけている長峯達也監督。
さすが「プリキュア」出身だけあって「バトル&決め」の動きは半端ない。

ストーリーは別として劇場で観てよかったと思える作品でした。