仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム(2012)/★★★★

生身アクションと女性陣のがんばりが見どころ

川崎チネチッタで子供たちと観てきました。
公開からすでに1ヵ月経っているのにいまだに一番大きなスクリーンで公開していて、ちょっとこちらが心配になるほど真面目な劇場です。
さて内容ですが、さすがの坂本(監督)クオリティはキープ。アクションてんこ盛り(というか全編アクションでドラマ部分がほとんどない)で、観た後どっと疲れるメガ盛りっぷりは相変わらずでした。


さらに今回特に感じたのが「生身のアクション重視」と「女性陣アクション連発」の2点です。
「生身のアクション」は特に「フォーゼ」パートで弦太朗(福士蒼汰)が自らアクションに挑戦しているのが印象的で、特に日本版パルクールは燃えました。
ほかにも変身前アクションだったり、戦いの後すぐに人間に戻ってドラマが続いていたりと、俳優自身の生身のアクションにこだわりを感じました。


2点目の「女性陣アクション」はポワトリン(入来茉里)、なでしこ(真野恵里菜)が特にすばらしいです。
ミニスカ姿で腰のアップやローアルングルが多用されており、特にポアトリンが床運動風の開脚アクションを常にパンツ見える側から撮っているのは明らかに微エロを狙っていると思います。
ただし三池監督の『妖怪大戦争』と違って決してやらしくならないのが坂本監督の特徴でしょう。
また、なでしこの真野恵里菜がビックリするようなアクションを披露していて驚きました。ハロプロ出身(アクション専門の女優でもないのにという意味で)なのにすげーな!この娘。


と、ここまではいいことずくめのように見えますが、残念な点もあります。
特に「ウィザード」パートと「アルティメイタム」パートの出来が残念。脚本は浦沢義雄さん。キャリアをみると随分と昔から活躍されている方でアニメ版の『忍たま乱太郎』など好きな作品も書かれているんですがねぇ。そもそも「ウィザード」の世界観自体があまり面白くないからかもしれませんし、仮面ライダー自体も初めてなのでツボが分からなかったかもしれません。アンダーグラウンド(夢)の世界で同じ日を何度も繰り返すとか、装甲車をバイクが集団で襲う(止める)とかどっかで観たような設定が多く、それがライダーの世界観にマッチしているとは思えないんですよね。


逆に良かったのは「フォーゼ」パート。脚本はTVシリーズのメインライター中島かずきさん。なんと卒業から5年後という設定で、それぞれがどのような大人になったかをみせる趣向。それまでのキャラクタを踏襲してみんなそれなりに成功しています。
甘いといわれるかもしれませんが、1年近くTVシリーズを観てきた側としてはやはりうれしい。さらに一声かけると仲間たちがどんどん参加してくるし、レギュラー陣の誰一人省略せずに登場シーンを設けています。分かっているなぁ中島さん。
弦太朗があのキャラのままで先生になってたというのも驚きましたが、意外と向いているかもしれないと思わせるものがあります。
さらにこの短いストーリーのなかに「よい先生とはなにか?」とか「フォーゼに変身した弦太朗とサナギマンに変身した須賀健太ではなにが違うのか」など意外と深いメッセージ性もあったり、途中でフォーゼドライバを廃棄したのに、やはりその後もフォーゼに変身できるのはなぜかなどの伏線も張られていて、よく考えられていると感心しました。

 
ということで、

  1. 坂本監督のアクションがお腹いっぱいに見られる。
  2. 劇場で如月弦太朗と仲間の活躍が見られる。
  3. 「なでしこ」と「ポアトリン」のアクションを観る事ができる。

の3点において観る価値は十分にあると思いました。
とりあえずお腹いっぱい。DVDのリリースが楽しみです。