アメイジング・スパイダーマン(2012)/★★★☆

これがイマドキのヒーロー
AMAZING SPIDER-MAN
ご近所の映画館がリニューアルして「imm(イム) sound」」なる「3D音響システム」になったとのことで、新スパイダーマンを見てきました(初日の第1回目 吹き替え版)。
スパイダーマン自身は劇場で見たことがなくDVDで追いかけている程度のファンですが、結構面白かったです。
基本は原作に忠実なのか前シリーズの1作目とほぼ同じ展開で、クモに刺されたピーターが能力を持ち、伯父さんが亡くなってスパイダーマンに目覚めていく姿を描いているので、見ていてびっくりする展開はありませんが、細かいところが違うのですごく現代風になっていると感じました。


現代風とははっきり言うと、とにかく顔だし(マスクをとる)する場面が多い事です。
少年を救う場面でもマスクをとって安心させ、さらにマスクを少年に被らせて勇気を出させたり、ガールフレンドにもすぐに正体をばらします。
さらに敵にもバレますし、終盤はある人にもばらします。(叔母さんもうすうす気が付いている雰囲気ですし)。要は近しい人はみんな知っていて応援している感じです。
前シリーズでは、ピーターが正体を明かすのに第2作の最後まで引っ張ったのとは大違いで、私は「ウルトラマン メビウス」でシリーズの途中で、これまでのウルトラシリーズの禁を破って正体をバラしてしまい、それでも戦っていくミライくんを思い出しました。
イマドキのヒーローは身分を隠すことはしません。


もう1つびっくりしたのは、自分の体から糸を出すことが出来ない。という設定です。
原作もそうだったそうで、2度びっくり。
前シリーズでは、年頃の男の子がピュッピュ・ピュッピュと白い糸(筋)を出しまくりながら街中を飛び回る姿に青春を感じたわけですが、新シリーズでは自分で糸を出すことが出来ず、腕に糸を出す装置を装着して使用します。
これも現代の草食化、少子化を思わずにはいられません。
(糸を出す瞬間に手元が赤く光るのでちょっと格好がいいのと、このおもちゃは絶対に売れるだろうという点でマーケティング的には正解だと思いますが)



特に終盤のニューヨークを縦横無尽に飛び回る場面を3Dで見ていると本当に自分が飛んでいる気になれます。(もっと見たいと思わせられます)
アクションもよくできていますが、ただ同じストーリー展開で136分はさすがに長い。もっと前半を短くしてコンパクトにすれば、まだ評価は高かったかもしれません。


もう1つ、どうしても言っておきたいのはアノ最後のセリフ(「約束・・・やぶるときもあるよね」)。
うーん。現代では「我慢」というのは決して美徳にはならないんですねぇ。

■■■
さて、日本初となる3Dサウンド「imm(イム) sound」」ですが、その違いは全然わかりませんでした。
強いて言えば、音場が自然というかどのスピーカーが鳴っているかが分からず、劇場全体を包んでいるように感じました。
その意味では決して悪くはないのですが、問題は料金体系で+200円になるんです。
しかも3D映像方式が評判の悪いXpanD。この近所はすべてMasterImageに移行したので、いまだにXpanD方式なのは平和島シネマサンシャインだけです。
さらに3D料金が400円なので、3Dサウンドを合わせて600円の追加料金になり、大人一人で2,400円になります。
さすがに映画1本にこの金額は出せません。
3D音響料金を取らずに「音のいい劇場」としてなら十分アピールすると思うので、速やかにMasterImageに移行して3D音響料金を取らないように見直しすることを提案したいと思います。
いちおう補足しておくと、スクリーンの端が少し湾曲しており、シネマスコープの隅でもはっきりと見えるのと、ワイドからシネスコに変わるときに上下が狭くなる「なんちゃってシネスコ」ではなくきちんと横に広がります。
さらにイスも良いイスなんだそうで、適度な段差もついて視聴環境としては申し分ない劇場でした。(シアター1)


シネマサンシャイン cinema sunshine×immsound<
http://www.cinemasunshine.co.jp/imm/
公式サイト