７級公務員(2009)／★★★☆

そのクオリティに死角なし

『彼女を信じないでください』のキム・ハヌルが大好きで、それ目当てに鑑賞したのですが、むしろカン・ジファンの方がフューチャーされている感じの映画でした。

韓国所属のスパイ(７級公務員)同士がお互いの身分を隠して付き合っていたのですが、彼氏（カン・ジファン）が相手のことを不審に思い別れてしまいます。
そして３年後。偶然出会った二人は反発しつつも惹かれていくのですが、実はお互いが追っている相手は関係しており、任務で追跡中（変装中）の現場でたびたび遭遇するうちに、またしても不信感を募らせていくといったストーリー。
これに、お互いの組織メンバー（特に“ハリマオ”のチーム長）や恋のライバル。そしてロシアのスパイの意外な正体（相当おかしなことに）などが絡んで、笑いとアクションが展開されます。

スパイ同士のラブストーリーということで『Mr.&Mrs. スミス』を思わせるレストランシーン（こちらはロブスターを砕くハンマーを使う）もありますし、ラストの二人がともに行動するのは『トゥルーライズ』に似ています。
派手なオープニングは『スパイ・キッズ』（あるいは"007"シリーズ）ですし、ふたりがフェンシングするのは『ゴースト』のロクロを思い出します。
色々と過去の映画を思わせるシーンがあるのですが、一番近いのは日本の少女漫画かもしれません。（絶対こんな話ありますよね）
こんなに非現実的なのに、見ているうちになんとなく共感してしまう感じはまさに"少女マンガチック"。
意外と韓国コメディの面白さんはこんなところにあるのかもしれません。

キム・ハヌルがどちらかと言うと受け側になっていた点は残念ですが、さすが韓国コメディ。そのクオリティに死角なしです。