ノルウェイの森(2010)/★★★☆

ノル森でなければよかったかも
ノルウェイの森 【スペシャル・エディション2枚組】 [DVD]
ときどき読み返したくなるくらい大好きな原作だけにハズレと思っても観ないわけにはいきませぬ。
原作のイメージとはずいぶん違う所や落とされたセリフなどもあり、原作ファンとしてはかなり辛口だったのですが、終盤に進むにつれ逆に原作の持つテーマがはっきりと浮き出てきて悪くない気もしました。
ただ、直子が亡くなると途端に失速します。(海岸シーンしかり、緑の場面しかり、レイコさんのエピソードしかり)。
いっそのこと「ノルウェイの森」でなければよかったかもしれませんが、原作を知らない人からすると、訳分からない話にも見えると思います。(そもそも主人公に感情移入するようには作られてないし)

その他感じたこと

  • 直子の菊地凛子はかなりイメージと違います。ただ見ているうちに菊地凛子風の直子(やたらと強い直子)が確立されてくるので、キャラクタとして納得させられる辺りはさすがだと思いました。
  • 緑の水原希子がイイです。ただこれも原作のキャラとは違う。直子と緑のキャスティングは逆じゃないですかね。
  • レイコさん(霧島れいか)は顔の皺が多いのに魅力的な女性のハズなのに、きれいすぎます。ラストはガンガンギターを弾いて弔う画面なのに全く弾かずにあの行為。こりゃないでしょ。
  • 一番観たかったハツミさん(初音映莉子)。結構いい感じではありましたが、やはり真っ赤なドレスを着てビリヤードをして欲しかった。原作では飛行機の中でハツミさんの死を思い出し絶望する所から始まる大事なキャラクタです。もっと大事にして欲しかった。
  • ただ美術と撮影は文句なし。60年代の雰囲気がよく出ているし、とても日本とは思えない感じも素晴らしい。

ということで、期待したところはハズして、それ以外のところが楽しめたという点で思ったよりは悪くない(決して満足はしないけど)感じでした。