レポゼッション・メン/★★★★

明るい残酷さが楽しい
レポゼッション・メン ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]
オープニング。
いきなり忍び込み「回収だ!」と声をかけて気絶させた男の体を切り刻み始めるジュード・ロウ。そこにかかる音楽がやらと陽気で笑っちゃうくらい凄惨な場面が展開する。
このトーンがこの映画の持ち味。ここで楽しめたらきっと気に入ると思います。

人工臓器が発達し生体待ちをしなくてもよくなった代わりに、この高価な治療費が払えなくなった人から人工臓器を回収する男たち(レポゼッション・メン)が誕生する。
しかしある事故により自分が人工臓器の提供受ける立場になって今度は回収される側になってしまう。
さて、このレポ・メンは逃げ切れるかというのがお話。
ただし展開は迷走気味で粗も多い。これは話を追うよりその場その場の雰囲気を楽しむ映画だと思う。
その意味では私は十分に楽しめた。


まずこの荒廃した未来感は結構面白かった。
銃は野暮な弾丸ではなく電気ショック弾のようなものを発射する。移動に使う車もありそうでなさそうなデザインがいい。多くのビルは巨大なモニタ付きだしときどき日本語の標識が出てくる。ディストピアものにありがちな貧困ぶりも予定調和と言えばそうかもしれないが観ていて納得ができる。


表現も面白い。とにかく音楽の使い方がうまい。また悪趣味とも思えるゴアシーンが多くて血糊もたっぷり。イタいのがダメなので結構苦手な映画かもしれない。
本社の工場施設もなんか変だし、社員と闘うところは「オールド・ボーイ」並みの暴力シーンになっている。

役者ではジュード・ロウ、フォレスト・ウィッテカー、リーヴ・シュレイバーのユニオン社3羽ガラスがよい。(女優陣は残念ながらあまり目を引く人がいなかった)

ラストは無理やり持っていた感もあって、人によってはあざといと思う人もいると思うが、それまでが十分楽しめたので、私的にはどっちでもいいやって感じ。

意外と拾いものの映画だと思います。