blog開設6周年記念 ベストテン特集

DVDレンタルが中心なので、2009年劇場公開作品がDVDでほぼ出揃うのがこの時期。
blog開設記念を兼ねて今年もやります。

2009年度劇場公開作品ベストテン

この1年で見た2009年度劇場公開作品は65本(内劇場鑑賞が5本)でした。
以下ベストテン。

1位 「母なる証明」(ポン・ジュノ
この"映画的なるもの"に打ちのめされました。これからもこの映画的興奮の正体は何なんだと思いながら見続けるでしょう。


2位 「チェイサー」(ナ・ホンジン)
韓国版「羊たちの沈黙」。犯人が捕まってから始まる刑事物なんて初めて見ました。


3位 「ウォッチメン」(ザック・スナイダー
映画史に残るオープニング。原作は未読ですが、もっともっと評価されてもいいと思います。


4位 「グラン・トリノ」(クリント・イーストウッド
占い師が心を読むところが好き。イーストウッド作品らしからぬ明るさもいいです。

5位 「チョコレート・ファイター」(プラッチャヤー・ピンゲーオ
クライマックスが凄すぎ。あそこまでやるとは。

6位 「レスラー」(ダーレン・アロノフスキー
実人生と映画がシンクロし全てに二重の意味を持つ。そんな映画ドキュメンタリでした。

7位 「イエスマン “YES”は人生のパスワード」(ベイトン・リード)
コメディとしてもよく出来てますが、なんといっても”ミュンヒハウゼン症候群”にやられました。

8位 「イングロリアス・バスターズ」(クエンティン・タランティーノ
この緊張感が心地よい。タランティーノは「言葉」の作家だと思う。

9位 「アドベンチャーランドへようこそ」(グレッグ・モットーラ
本筋もいいけど脇役がすごくいい。特に管理人夫婦が最高。

特別枠:「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」「アバター
映画館で見たこの2本は"映画"というよりこの時代を生きた"イベント"として突出してました。
ケニー・オルテガとジェームス・キャメロンにはありがとうと言いたい。

なお、10位以下は以下の通り。

11位 「サンシャイン・クリーニング」好きです。こうゆうの。
12位 「3時10分、決断のときラッセル・クロウがかっこいい。ラストに拍手!
13位 「40男のバージンロード」わかるなぁ。
14位 「フロスト×ニクソン」丁寧に作られた作品は見られるべき理由があります。
15位 「リリィ、はちみつ色の秘密」作られるべきと信念を持って作った製作者たちを賞賛。
16位 「セブンティーン・アゲイン」表面の軽さに反してすごく考えられたコメディだと思う。
17位 「プライド」"満島ひかり"X"ステファニー"の化学反応
18位 「ハイキック・ガール!」主役は決して負けてない。あとは作る人の問題
19位 「扉を叩く人」話がどんどん転がっていくのに付いていけずこの順位

※その他、締切に間に合わず宿題となった作品
「ディア・ドクター」「空気人形」「サマーウォーズ」「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」「南極料理人」「SRサイタマノラッパー」「ベンジャミン・バトン-数奇な人生」「それでも恋するバルセロナ」「私の中のあなた」「グッド・バッド・ウィアード」「96時間」「クリーン」
(ベストテン級の邦画が残る結果に。その理由は後述)

2009年の傾向

2009年度公開作品の傾向として「韓国映画の成熟」「ベテランの復活」「劇場体験」の3つを挙げます。

韓国映画の成熟
今年の1位、2位を独占した韓国映画。どちらも犯罪物ですが、知的障害者や宗教など邦画ではなかなか踏み込めないところまで踏み込んでるところに凄みを感じます。
また、2008年には「シークレット・サンシャイン」2010年は「息もできない」が公開されるなど、一過性のブームで終わらない本気度を感じます。
宇多丸さんが「韓国映画は観客を信じている。必ず観客が考える余地を残し、決して安易な結論に陥らず説明多寡にもならない。これは韓国の観客側が成熟しつつある事を意味するのではないか」という事を言ってました。
悔しいですが、2009年は韓国映画の成熟を実感させる年になったと思います。


■ベテランの復活
監督では「スペル」のサム・ライミ、「ターミネーター4」のマック・G、「レイチェルの結婚」のジョナサン・デミ、「レボリューショナリー・ロード」のサム・メンデス、(2008年ですが)「その土曜日、7時58分」シドニー・ルメット
役者としては「イエスマン」のジム・キャリー、「レスラー」のミッキー・ローク。など。
1時代を築いて"終わった"とされる人たちの復活が目に付きました。
これに「グラン・トリノ」「チェンジリング」のイーストウッド、「マンマ・ミーア!」「ダウト」のメリル・ストリープなどを加えるとベテラン勢の頑張りが目に付いた年でした。

■劇場体験
3D元年といわれた2009年。映画館で見たのは「モンスターVSエイリアン」「アバター」でしたが、その他にも「くもりときどきミートボール」「ボルト」など劇場(3D)で見ると見ないで大違い(と言われている)作品が多かったのも特徴でした。
もっぱらDVD鑑賞をメインとしている身としては、劇場に足を運ばざるを得ない状況になってきました。

(宿題分)2008年度劇場公開作品ベストテン

この1年に見た2008年以前の公開作品は42本。
昨年のベストテンに間に合わず後追いで見た2008年公開作品のベストテンは以下の通りです

1位 「ライラにお手あげ」めちゃめちゃ面白い!
2位 「ラースと、その彼女」心に響きました
3位 「シークレット・サンシャイン韓国映画の底力
4位 「歩いても 歩いても」これも「母」
5位 「悲しみが乾くまで」すごくいい!ハル・ベリーっていい役者だなと感じました
6位 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」この緊張感がたまらない
7位 「その土曜日、7時58分」巨匠の復活
8位 「クライマーズ・ハイ」チェック、ダブルチェックはマイブームに
9位 「デス・レース」B級だけどすごくイイ。
10 「ぐるりのこと」女の人こぇー。
番外「アメリカン・ティーン」「おくりびと
なんかこっちの方がベストテンらしい(笑)
全体的に「女性」という"性"を中心とした、いわゆる「女性映画」ではない何かがテーマの作品が目に付きました。

この1年を振り返って

■BDレコーダの購入
憧れの衛星第2が見られるようになりました。
毎日のように放映される名画の数々。録るばかりで見る時間が無いのが悩みです。
そもそもDVDレンタルで月7〜8本ペースだった所にいきなり倍近い量の映画が空から降って来ました。
おかげで、途中で時間切れとなり挫折した映画も多かったです。
視聴スタイルを変えなければと思いつつ、なかなかベストな視聴方法が見つかりません。


■シネマハスラーの存在
ハスラー本の発売をきっかけにポッドキャストを存在を知り、毎晩聴いてました。
すげーな宇多丸。"全てが同意"ではありませんが、キチンと具体例を挙げて評論する姿にリスペクトです。
むしろ影響を受けすぎて危険なことに気がついてからは未見のものは聴かないようにしています。
また、ここから三宅監督や西寺郷太さんの存在を知り、「キラキラ」水曜日から水道橋博士、そしてツイッターを始めるきっかけとなりました。(今は上杉隆を集中視聴中)
タマフル」「キラキラ」恐るべしです。

ぽすれん 100円セール
100円レンタルは以前からあったのですが、イマイチ使いづらいと文句を言ったところ、いきなり旧作全品100円のキャンペーンが始まりました。
そのおかげで会員が増えすぎて新作がめちゃめちゃ借りづらくなりました。
(「レスラー」なんて登録してから借りるまで1年近くもかかりましたし、「ディア・ドクター」「空気人形」「南極料理人」「サマーウォーズ」なんていつ借りられるやら見当もつきません)
よっぽどWOWOWに切り替えようか迷いましたが、子供の物も借りなくてはならず、もうしばらくは続けようと思います。
早期の改善を望みます。

twitter
破壊屋さん経由でbootlegの存在を知って買いに行ったり、町山さんのUstreamを見たりと、これまでネットを通じて見ていた人たちとリアルタイムに接する機会が増えてきました。
また変な話ですが、twitter政治家を通じてなんとなく政治も気になりだしたり、iPadがメチャメチャ欲しくなったりとtwitterを始めて何かが変わっていく予感がしています。

最後に

実は3月〜4月に007を集中的に見ていたのですが、blogに書く時間がありませんでした。
全体的に更新回数が少なかったのが反省です。
もう少しこまめに更新するように心がけたいと思います。

あとシネマハスラー聴いてて気がついたのですが、なんで私には「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」のよさが分からないかというと、(デル・トロとの相性もあるのですが)”劇場で観ていない”というのが大きいのですね。
「映画館で見ないと分からないものがある」と言うことに今さらながら気がつきました。それを増幅したのが3Dであり「くもりときどきミートボール」であったりするわけです。
(確かに劇場で観た2作品(「THIS IS IT」「アバター」はDVDで見る気になりません)
ただし、なかなか劇場に足を運ぶチャンスがないのも確かで、今年も既に「プレシャス」「ハートロッカー」「第9地区」「コララインとボタンの魔女」と見逃しています。
毎日のように放映される名画、定期的にレンタルされるDVD、見逃し続ける劇場作品。

とても悩ましい日々を送っているところです。

さて、来年もいいベストテンが書けるでしょうか?

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謝辞
2009年ベストテンの参考として以下のサイトを参考にさせていただきました。
いつも楽しく拝見させていただいてます。感謝!

■2009年ベスト「“泣ける映画”なんて、わざわざジャンルを作らなくてもいいのに」
( by 俺のDVD!(&ブルーレイ)ログ)
http://coolizumi.way-nifty.com/ore_no_dvd/2010/01/2009-7a03.html

■2009☆ベスト&ワースト映画 /2009 BEST&WORST MOVIE☆
(by 我想一個人映画美的女人blog)
http://blog.goo.ne.jp/some-like-it-hot/e/a6e4f3a042057c9e6831bca9382edf33

■まどぎわ通信
※膨大なアーカイブと共になくなってしまいました (泣

■2009年に見た/日本映画劇場公開作品の極私的ベストテン/2009年に見た洋画の極私的なベストテン<年間劇場公開作品限定>
(by 細越麟太郎 MOVIE DIARY)
http://blog.goo.ne.jp/hosogoelintaro/e/fc58f47cf32019b6217e1852af1991ef
http://blog.goo.ne.jp/hosogoelintaro/e/93327d03d3cfcc141ae966f9855ffd2b

■キラ★キラで09年度の映画ベストテン
(by ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記)
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20091225

■2009 unforgettable movies
(by ノラネコの呑んで観るシネマ)
http://noraneko22.blog29.fc2.com/blog-entry-351.html

■【2009年公開映画】を振り返って(その1)(その2)
(by choroねえさんの「シネマ・ノート」)
http://blogs.yahoo.co.jp/country_rabbit_mk/59072650.html
http://blogs.yahoo.co.jp/country_rabbit_mk/59072666.html

■2009年の映画をふりかえる/結果発表
(by 空中キャンプ)
http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20091230#p1

■ザ・シネマハスラー 2009年 全映画ランキング!(12月26日確定)
(by ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル)
http://www.tbsradio.jp/utamaru/2010/06/post_668.html