モンスター・ハウス(2007)/★★★☆

実はティーン向けのアニメ。細かいところが面白い
モンスター・ハウス デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]
スピルバーグ&ゼメキス印がついていますが、監督はギル・キーナン、脚本はダン・ハーモン(兼原案)、ロブ・シュラブ(兼原案)、パメラ・ペトラー。
稚拙な話のアニメばかりが氾濫していますが、これは話がしっかりしていて主人公がティーンというのもあって、どちらかというと中高生向けの映画だと思います。
実写でも十分いけると思いますがね。


その家の敷地におもちゃが入るとすべて没収されてしまうという有名な意地悪じいさんのネバークラッカー。向かいに住んでいるDJはその様子を双眼鏡で観察する毎日。
親友のチャウダーのバスケットボールが敷地に入ってしまったことから、意を決してDJが取りに行くが、揉み合っているうちに、ネバークラッカーが心臓発作を起こして、救急車で運ばれてしまう。
たまたま訪れた少女ジェニーに、主のいなくなったモンスターハウスが襲いかかり、それを助けたところから、3人によるモンスターハウスの探検(退治)が始まる。


キャラクタが8頭身なので、最初は違和感があっるのですが、その表情の豊かさで段々馴れてきました。
それよりも細かい会話が妙に面白くて、

両親が出かけるとき、
妻(母親)が「(DJに)愛してるって行って」と夫(父親)に言うと
「言わなくても判ってるよ」と返し「いいから言って」「いいじゃないか」ともめ始める。
(結局母親が自分で)「愛してるわよ」と声を掛けてあとで、「ほら、投げキッスして」と漫才みたいなやりとりをする。

ベビー・シッターとハロウィン用のお菓子を売りにきたジェニーの会話。
シッター「何しに来たの」
ジェニー「お菓子のない家はお菓子のある家より60%以上被害にあう確立が高いといわれています。お宅はどちらでしょうか?」
シッター「悪いけど、私の家じゃないの」
ジェニー「あらそう。もしかしたらいざというとき用に40ドルぼど渡されてるんじゃない?」
シッター「30ドルかもしれないわよ」
ジェニー「20ドルほど出せば、30ドル分の領収書を切るわ」
シッター「ふうん。おまけでピーナッツチョコ2つ」
ジェニー「1つよ、グミもつけるわ」
シッター「やるわね」

これ以外にも、小ネタがあちこちに散りばめられており、リアルでありながらウィットに富んだ会話が妙に可笑しくて、ついつい引き込まれてしまいました。
このジェニーのキュートさと、DJ、チャウダーだめだめボーイズトリオが最高です。


正直、後半の展開は荒唐無稽過ぎてついていけないし、"ある秘密"も突飛な感じがして感心できないのですが、アニメという枠を抜きにしても"青春ホラーコメディ"として大人でも十分楽しめる作品に仕上がっていると思います。