雨に唄えば 50周年記念版 スペシャル・エディション/★★★★★

いまさら語るものは何もないぐらいの傑作ではあるのだが・・・
雨に唄えば 50周年記念版 スペシャル・エディション [DVD]
ひさしぶりに再見してその面白さに変わりませんが、あえて蛇足で書いてみます。

  • 序盤のスピーディな展開

映画のプレミア公開に来たスターのインタビューという形で、立志伝を語るシーンはわずか10分足らず。
これは、スタンリー・ドーネン監督の腕でしょうか?凄いです。

  • 耳に残る名曲

雨に唄えば」「威厳を」「笑わせろ」「グッド・モーニング」「モーゼズ」など一度聞いたら忘れられない曲がごまんとあります。
特に「グッド・モーニング」は重要な場面で使われる点でも印象的。
つーか、全て名曲です。

「笑わせろ」はドナルド・オコナーの独壇場。これだけで主役が誰だか分からないぐらいインパクトがあります。

  • トーキー黎明期の人々の姿

お互いをけなし合いながら、撮影を続けるジーン・ケリーとベティ・ノイスは報復絶倒です。
また「ノーノーノー。イエス、イエス、イエス」のギャクも忘れられません。


・・・と、ここまで持ち上げておいて、それでも、この映画全く問題がないわけではありません。


この映画のオープニングは主役の3人が雨の中で唄う場面であることを記憶している人は多いでしょうが、では最後はご存知でしょうか?
「ブロードウェイ・メロディ・バレー」にのって踊ったジーンケリーのアップを思い浮かべる人が多いでしょう。
残念。実は「Singin’in the Rain」と書かれた看板でジーンケリーとデビー・レイノルズが抱き合う場面でした。
なぜそんなことになっちゃうかと言うとあの「ブロードウェイ・メロディ・バレー」の部分だけ突出しているからですね。
予定ではドナルド・オコナーとの競演シーンを予定してのが、ドナルド・オコナーが契約切れで帰っちゃったため、急遽ジーン・ケリーが考え出したとか。
いや、ジーン・ケリーは嫌いじゃないけど、延々と続くソロのモダンバレーの場面だけは、どうしても好きになれません。
私が「巴里のアメリカ人」を好きになれない理由もここにあります。
ソロよりデュエットが見たい私にとって、この場面は苦痛です。
また、全体のバランスから言っても、このシーンは長すぎると思います。


まあ、こう書いても本作を貶める理由にはならないんですが。
(今のところ)ミュージカルのマイベストとしておきます。

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参考
■「素晴らしき哉、クラシック映画!」雨に唄えば Singin' in the Rain
こちらに詳しい事情がありました