スパングリッシュ/★★★★

大好きなブルックス監督作品。前半と後半で分かれたのは残念だが何度も見たくなるシーンが随所にある。
スパングリッシュ [DVD]
私の大好きな監督のジェームズ・L・ブルックス(「愛と追憶の日々」「ブロードキャスト・ニュース 」「 恋愛小説家」)の最新作。(といっても2004年公開)

裕福な白人家庭に家政婦として雇われたヒスパニック系の女性(と娘)の交流の物語。と思いきや、後半からは意外や意外(失礼!)恋愛モノに発展し最後は子供の将来を問いかける結果に。
「ブロードキャスト・ニュース」でも最後の展開に驚いたが、この作品では前半と後半でトーンが変わってしまった印象があり、主題がぼけてしまったのは残念。

ただし言葉の通じない二つの文化が交差し、親と子、夫婦、母と娘(これは祖母と母の関係にも現れる)のエピソードが展開されどんどん物語が進んでいく演出(脚本もブルックス)でブルックス流のドラマが堪能できた。

特に秀逸なシーンとして、
(1)オープングのヒスパニック母娘の紹介
(2)父親のレストランの新聞記事を読む場面
(3)娘が通訳しながら喧嘩する場面
(4)母親(祖母)が娘(母)に意見を言う場面
などがあり、何度も見返したくなる作品だとおもう。

名シェフでナイスな父親役にアダム・サンドラー。英語が話せない家政婦にパズ・ヴェガ(すごい美人だ!)。元歌手でアルコール依存症の祖母にクロリス・リーチマン。
そして作品の評価を下げてる一番の要因であろう極端にエキセントリックな性格の母親をティア・レオーニが演じているが、好きな女優さんだけにちょっとかわいそう。「アメリカン・ビューティー」のアネット・ベニングをもっと極端にした感じと言えばいいだろうか?

二人の娘も好演し、「スパングリッシュ」というタイトルにぴったりの音楽をハンス・ジマーが提供している。