未来警察/★★★★

80年代SFの愛すべき小品。
未来警察 [DVD]
マイケル・クライトン脚本兼監督のSFアクション。「時効警察」と間違わないように(笑)。

ロボットのトラブル処理班のリーダー(トム・セレック)は新しく配属してきた女性警官(シンシア・ローズ)とコンビを組み、ロボットの暴走によるトラブルを解決する。ただし、トラブルといっても畑の虫取りロボットを取り押さえたり、子供のいる家に立てこもった家事ロボットを止めたり、オフィスで掃除ロボットに閉じ込められた秘書(カーティス・アレイ)を助け出したりとその程度だ。(ロボットによる殺人事件は殺人課の担当らしい)
しかし一連の暴走は特殊チップが原因であることを突き止めたトムに小型熱誘導ミサイル銃を持ったジーン・シモンズが忍び寄る。実はオフィスで助けた秘書が持っていた特殊チップの原版を取り返えそうとしていたのだ。ここからトムとシモンズの対決が始まる。


百凡のB級SFの中の1つとしてあまり評価されていないようだが、そのアイデアは以降の映画で多くパクられている。暴走ロボットというコンセプトは「パトレイバー」そのものだし、クモ型ロボットは「マイノリティ・レポート」で洗練されて出てきた。車を襲うラジコンは「ダーティハリー5」、状況を調べるために放つ浮遊監視カメラはあちこちで見たような気がするし、体についた探知機を操作するのは「ネバーセイ・ネバーアゲイン」でそのまま使われている。その他よく見ればもっとありそうだ。

また、ドラマ的にも最初の畑での捕り物もユーモアたっぷりで、なぜか?リーダーに思いを寄せる女性警官の(分かりやすすぎる)やきもちの表情も楽しい。ちょっと見栄っ張りなトム・セレックといかにもな悪役のジーン・シモンズの対決も見もの。

作家でもあるマイケル・クライトンが「娯楽としてのSF映画」を追求した80年代SFの愛すべき佳作として記憶されてもいい作品だと思う。
つーか、私は好きだなぁ。こうゆうの。