ある日どこかで/★★★★★

80年代の輝ける奇跡
ある日どこかで [DVD]
きちんとした評価は監督のコメンタリを聞いた後で再UP。
こうしてみるとスーパーマンでデビューしたクリストファー・リーブは体が大柄なせいもあって不器用な印象が強かったが、コメディのセンスも素晴らしい。何気ない表情やリアクションがドラマを進めるキーになっており、演技力がないと成り立たない映画になっている。ジェーン・シーモアはまさにこの映画のために生まれてきたような人で”エリーズ”そのものと言っても過言ではない。さらにジョン・バリーのスコアは自身の代表作となっただけでなく、この映画の公開当時の空気すら再現してくれる。聞いていて「キンクコング」が見たくなってしまった。

DVDの仕様について
この作品が多くの人たちに愛されている証拠として収録されている「インタビュー」が素晴らしい。監督のシュワルツ、プロデューサー、原作兼脚本のマシスン、主演のJ・シーモアクリストファー・プラマーだけでなく、今は亡きC・リーブのインタビューも収録されていてびっくりした。リーブはのどにチューブらしきものをつけ、休みながらだったがしっかりとした応答をしていた。構成自体も映画の企画段階から順を追って、スチル、本編映像、ジョーズ2などの映像も挟みながらわかりやすく構成されている。作品に惚れ込まないとここまで丁寧な仕事はしないものだ。その他フォトギャラリーと監督の音声解説と予告編が収録されている。ただし残念ながらフォトギャラリーには音楽は付いていない。(惜しい)
ここまではファンの期待を裏切らない仕様だったが、肝心の本編が実に貧弱。ビスタサイズで非スクイーズ。画質が甘く全体的にザラついた映像でこれが一番がっかりした。しかし音声はもっとひどくて、致命的な事にモノラルだった。インタビューの時はステレオだったので、これではジョン・バリーのスコアは楽しめない。文句ついでにもう1点。ディスクの面にはタイトルだけが印刷されており、これではピクチャーディスクとは言えない。

ファンをずいぶんと待たせただけにもう少し本編の仕様を何とかして欲しかった。