ブルース・ブラザース/★★★★★

3つの才能が集結して出来上がった80年代の傑作!
ブルース・ブラザース [DVD]
メイキングとプロダクションノートより

  1. ベルーシは10代からバンドをやっていた、エイクロイドは無類の車好き。ブルース・ブラザース(BB)のキャラクタはまさにこの2人の姿そのもの。
  2. サタデーナイト・ライブ(SNL)出演の前からBBのネタはやっていたが、SNLの前座で受け本番にも進出。それが受けて全米ヒットチャートNo.1になる。(キャリー・フィッシャーSNL前座出演時の司会をしていた)
  3. 原案はダン・エイクロイドが書き、別の脚本家が手直しをした。初稿はBBの構想とアイデアが詰め込まれていて300ページ超(通常の3倍!)の量だった。特にショッピングモールのシーンはエイクロイドの夢が現実になった瞬間だった。
  4. 映画化に際してバンドのメンバーを集めたのはベルーシ。本格的なバンドを作りたかった彼はこれぞという人たちをスカウトし始める。そのほかにキャブ・キャロウェイレイ・チャールズアレサ・フランクリンジェームズ・ブラウンらも出演が承諾されたときベルーシの夢は実現された。
  5. シカゴロケは前市長が亡くなって現市長になったことにより実現した(前市長死後の最初のロケだった)市長の全面協力のもと大量の物量が投入された。1映画1都市で最も大規模なロケとなった。
  6. この作品はアクションでありミュージカルでもある。本編では歌のシーンだけでなく常に各場面にマッチした音楽が使われている。カーアクションですらミュージカルとして扱われている。
  7. ダンスシーンのほとんどは素人が踊っているが途中でランディスがまずいことに気がつきプロのダンサーをいれたシーンに変更した(神の啓示を受ける教会の場面)。
  8. もっともミュージカルらしいのはアレサ・フランクリンの場面。会話の途中で突然歌いだし、"いかにも"な振付も楽しい。ただ細かくカットを割ったのはアレサ・フランクリンが口パクができなかったのとサックス奏者の足だけのカットを入れ込みたいとの監督の要望のため。

見ていて感じたのは、何が起きてもまったく驚かないBBのキャラクタが今見ても特異であること(特にホテルのシーンが象徴的)まるで映画の約束事を無視しているようにも見えるが「ピーターガン」の音楽が入って前のカットがなかったかのように進行する。これはこの映画がはじめてだったエイクロイドの脚本の影響だろう。アイデア先行で場面が繋がらない。しかしこの手法はこの映画には合っていた。

ランディスは音楽シーンとモブシーン(群集シーン)がうまいと言われているが、教会のシーンはまさに後の「スリラー」などにつながるMTV的才能を最も堪能できる場面になっている。

結局この映画が受けた秘密とは、ベルーシの本格的なバンド志向、エイクロイドの緻密で大胆なアイデアランディスの得意分野での演出。この3人の持っていた力と思いが周りを引っ張り、数々の幸運を招き、80年代の空気すら伝わる映画が奇跡的に出来上がったのだと感じた。この映画のためにBBがあるのではなくBBがあるからこの映画ができているのだ。

ps.勢いで続編のBB2Kも買ったが恐くて見る事ができない。