トゥルーマン・ショー

私の大好きな映画。
トゥルーマン・ショー [DVD]
同じ題材を扱った作品としてエド・TVがあるが、エド〜はブラックナコメディ、こちらはファンタジーに近い寓話として描かれている。だから全体的に掘り下げが浅かったり、カメラの切り替えがいい加減(TVカメラの視線なのか、映画の視線なのかが)だったりしても、私は断固こちらを支持したい。

再見して改めて、妻役のローラ・リネイが重要な役割を果たしていることに気づいた。初見の時は本当に嫌な女に見えたが、完璧すぎて本当に居そうな女に見えるだけで、彼女が現実と虚構の最も狭間にいる役割なのだ(恐怖に引きつりながらココアのCMをするところなんか最高である)
また、ジム・キャリーのキャスティングに関してもあれぐらい非現実的な役者じゃないと、プライバシーの侵害やらいじくりまわされた人生などに憤慨して嫌悪感のほうが先立つのではないか?

この世で最も信頼できる人たち(かみさんも親友もそして死んだはずの父親でさえ!)信じる事が出来なくなったらあなたはどうしますか?という話。普通は人間不信に陥って厭世的になるのだろうが、この主人公はみんなに挨拶をして新たな人生を歩き始める。これほど前向きな姿勢はないだろう。

脚本を書いたアンドリュー・ニコルと言う人はこのほかに「ガタカ(97)」「シモーヌ(02)」
「ターミナル(04)」と一貫して同じテーマを書き続けており良作を生み続けている。
ブルクハルト・ダルウィッツの音楽もシンプルながら印象に残る。

ただ、今の時代に作ったのであれば、エンディングは「来週からはトゥルーマン・ショー2にご期待ください」ぐらいの予告を流すかもしれない(うわっ!)