ザ・ペーパー/★★★★

ロン・ハワードの隠れた?傑作!。
ザ・ペーパー [DVD]
無実の罪を着せられそうになった黒人少年の冤罪を晴らすある新聞記者の1日が描かれているが、出てくる登場人物がよく、いかにもマスコミという情報戦争の最前線にいる人たちという雰囲気がよく出ている。

脚本はプロデュースも兼ねているデヴィッド・コープ。「ジュラシック・パーク」や「ミッション:インポッシブル」「スパイダーマン」といった作品を書いているが、人物のキャラクタ付けがうまいのとダイアログ(セリフ)が気が利いていて秀逸。ちょっとした端役でもキャラが立っているので、観ていてまったく飽きない。

また、出演者は芸達者な人たちがワンサと出てくるが、みんなノリにのって演じているのが観ていてもわかる。特に編集会議やお互いのデスクでディスカッションする場面は良く出来た舞台を見るようなライブ感とエモーションがある。

グレン・クローズは背中の開いたドレスで新聞の輪転機の横で背中から転ぶキャラを演じて見せるが、これが後に101、102へと繋がっていくと思うとおかしくて仕方がなかった(しかもこの後に流れ弾に当たって入院する羽目になる(笑))

ロン・ハワードは俳優出身だけあって、出演者をのせるのがうまいと言われているが、それだけでなく、それぞれの演技を丹念に拾っていく姿勢とこれだけのこれだけの登場人物を整理して、テンポよく見せるセンスは実にうまいと思う。

このDVDに関して、最初は字幕で見たのだがセリフがやたらと多いので幾つかのシーンを吹き替えで見返すとイマイチ”ノリ”が悪い。また字幕と吹き替えが内容自体が違っていることもしばしばで、どっちがホント?と突っ込みたくなった。
その意味では正確さは別としてナッチ(戸田奈津子女史)の勝ち!