隣人は静かに笑う/★★★

脚本、演出、主演がバラバラ。電波なブリッジスとラストがみどころ。
隣人は静かに笑う [DVD]
大学でテロの歴史を教えているジェフ・ブリッジスが怪我をしたお向かいの子供を病院に連れて行ったことから、両家の交流が始まった。(ブリッジスは元FBIで奥さんもFBIだったが、捜査中に死亡した過去がある)
間違って届いた郵便物(同窓会の案内)から隣人(ティム・ロビンス)に不審を抱き、調べるうちに、実は別の人間に成りすましていることがわかる。果たして隣人はなにものなのか?

本作の見所は(1)徐々に隣人に不審感を抱かせる展開と最後のオチ【脚本】(2)どんどん調査にのめりこんでいく主人公の姿【ジェフ・ブリッジス】(3)サスペンスを盛り上げる演出【マーク・ペリントン】の3つがあり、それぞれに光るものがあるのに方向性があっていないように感じる。実際(1)は社会派サスペンスを志向しているように見えるが(2)が好演(怪演?)すぎてサイコサスペンスに見え(3)の異様な緊迫感はホラーサスペンスに近い。私としては(1)(2)のどっちかにして欲しかったな。
大学の講義として奥さんの事件を(なんと現場で)語るブリッジスを見ていて、説教大王アル・パチーノやハリウッドの丹波哲郎ことハリソン・フォードを思い出した。でもいい役者だなぁと見ていて楽しかった。

賛否両論のあるラストだが、よく考えるとそれまでの展開があまりにも偶然過ぎ るのでなるほどとは思えない。(シナリオの根底にFBI批判があるのはよくわかるのだが)

原題はARLINGTON ROAD(アーリントン通り)だが、この邦題は良くできているとおもう。