アラビアのロレンス/★★★★★

ここに在る。それだけで十分。
アラビアのロレンス [DVD]
最初はビデオで見て、リバイバル新宿ミラノ座の大きなスクリーンで見た記憶があります。
最初のうちは「砂漠の稜線はMPEGにはつらいなぁ(確かにブロックノイズが散見される)」とか「昼間のシーンはきれいだな」なんて画質が気になっていたのですが、途中から物語にのめりこんでどうでも良くなってしまいました。背景の知識がないので純粋に映画としてみると明らかに一人の人間が砂漠や戦争の狂気に巻き込まれて、だんだん狂っていく姿が描かれています。それも前半と後半でハッキリと分かれている。ピーター・オトゥールの神がかり的な演技(演じてるとは思えない)やオマー・シャリフアンソニー・クインアレック・ギネスなどアラブ人にしか見えません。
また、トルコ人兵士が敗残していく行軍に突っ込むか、突っ込まないか迷うロレンスの表情は奇跡とも言えるでしょう(くしゃみしそうな顔にも見えます))
このような作品が手元にあっていつでも見ることができる。本当にいい時代になったものです。
その他気がついたこと。

  • 劇場と同じく始まる前に真っ暗な画面に音楽が流れます。その時間なんと4分弱。さらにintermissionにも3分間。モーリス・ジャールの音楽をたっぷり堪能することができます。(ただしドルビーデジタル(2.0ch)なので、できれば5.1chで収録して欲しかった)
  • 確かにブロックノイズが散見されます(これは1枚に収めている関係で仕方がないのかな?)でも画質はいいです。
  • これを観るとこの間見た「風とライオン」は確かに見劣りがしますな。でも比較するほうが酷というものです。
  • D・リーンの現場は要求が厳しいと読んだ事があります。確かにこれだけのシャシンを撮るには半端では撮れないと思いました。現場では「クロサワ天皇」ならぬ「デビット天皇」なんでしょう。
  • 女が一人も出てこない映画ですね。「飛べフェニックス」もそうですが、砂漠と女性は合わない?