ショーン・コネリー/盗聴作戦/★

クライムムービーなのか社会派ドラマなのかハッキリして欲しい
盗聴作戦 [DVD]
10年の刑期を終えて出所したデューク(ショーン・コネリー)が転がり込んだのが昔の愛人イングリッド(ダイアン・キャノン)のマンション。このマンションの警備の厳重さに目を付けたデュークは、このビルを次の獲物に定めて計画を練りはじめる。はたしてその結果は?というお話。

この中のデュークはジェームスボンドそのもの。女にはモテモテで統率力は抜群。実行力もあって計画も完璧。ところが、シーンの端々に差し込まれるFBIやCIAの盗聴、盗撮集団の関係が曖昧で、見ている間どこで盗聴作戦になるのか待っている間に終わってしまった。正直ボンドのクライムムービーとして作ればそれなりに楽しめたような気がする。
これは原作が各盗聴機関からの証言で構成されたもので成り立っていた(らしい)のと、脚本のフランク・ピアソン(「暴力脱獄」「狼たちの午後」)と監督のシドニー・ルメット(「十二人の怒れる男」「未知への飛行」「セルピコ」「狼たちの午後」)の社会派志向コンビが生み出したものだからだろう。いっそのことショーン・コネリーでないほうがよかったかもしれない。