アメリカン・スナイパー(2014)/★★★★★

映画というよりクリス・カイルを追体験

興行収入1位と聞いて少し驚きました。だってイーストウッドですよ。
ただ、あの予告編をみれば、だれでも続きを見たくなるのでしょう。
実際、息子(高2)も予告編を見て映画館に行きたいと言っていましたが、テスト勉強期間中なので私だけ鑑賞しました。
(トラウマになりそうな場面もあったので見ないでよかったかもしれません)


さて、感想ですが、映画を見たとうよりはクリス・カイルの経験したことを自分も体験したといった感じで、とにかくのめりこんで見てました。
それくらい臨場感がすごかった。
特に1回目の遠征でイラク人家族があのような結果になったことが忘れられない。
ただし、戦争映画というよりは、非日常(戦場)と日常(家族)が繋がっている点を描いているため、戦争映画とはちょっと違う気がします。
序盤の狙撃する・しないの後に、幼少期から軍隊に入り、今の奥さんと出会うまでに描かれ、そのあとに狙撃の続きが描かれます。
中盤の戦闘シーンも、奥さんと電話する場面が入り、非日常と日常が同時に描かれる。
これを見るとクリス・カイルも犠牲者であったことがはっきりとわかります。


この緊迫感は2年前のこの時期に見た「ゼロ・ダーク・サーティ」を思い出しました。春はこの手の映画多いのでしょうか?


序盤など丹念に描いているのに全くダレることがなく、最後の大胆な省略にも戸惑うこともなく、複雑な戦闘シーンでも混乱することもなく。
日常生活を描いているのに異様に緊張感があって、さりとてベタつくこともない。
イーストウッド作品(すべてを見ているわけでありませんが)の中ではなかり上位にくる作品だと思います。
80過ぎてまだこんな映画が撮れる監督って他にいますかね。